ヒゲニートへの道 p.7
無条件の愛って、なんだろう
なぜそういう価値観になるのだろう
それは、彼ら家族同士の会話、私への接し方を見ていれば
言葉が分からなくても、理解できた
あー自分自身を、自分の家族を
彼らは無条件に大好きなんだ
それと同じように、隣人にも
もちろん初対面の私にも、等しく接している
ただそれだけだ
彼らにとっては全部自然な事だ
そんな事を感じさせられた
細かく覚えてはいないが、
確か夜の19時か20時位には一面真っ暗になり
家の灯りも消され
明日は5:00に起きて山に行くぞー
お父さんにそう言われてベッドに行った記憶がある
普段こんな時間に寝ないしなー…
日の入りとともに寝て
日の出とともに起きる
自然に調和した生活だなー
目覚まし時計を使って、決められた時間に起きなければならない
これも自分が今まで作ってきた尺度だ
世界って
こんなに違うんだ
さすがにまだ眠くならないベッドで、暗闇と静寂の中で
今日を振り返った
1日前は、飛行機に遅れる!ヤバい!
っていつも通り、バタバタしながら空港で集合して
ギリギリまで会社の携帯はチェックして
急なトラブルはないよな、大丈夫だよな
なんて心配をして
気付いたらネパールに着いて、翌朝Keiと落ち合って街を散策して
で、夕方前にここに来たんだな
この数時間と、その前の云時間
まるで別人のように、心が穏やかだ
「穏やか」ってなんだろう?
さっき感じた「お金がないのに豊か」ってのも、なんだ?
そういえば、「自分への無条件の愛」にも驚いたな
あぁ、そうか
彼らを見るふりをして、今日1日
私は、私自身を見ていたのかもしれない