ヒゲニートへの道 p.15
一度事前説明会で集合していたのと
スリランカで村訪問した際に、日本らしい事を披露する
というミッションがあり、ダンスを嗜むメンバーが振付を考え
それをシェアして各自覚えてこよう
なんてやり取りも沢山していたので
いやーみんな久しぶり!いよいよだね!
と
緊張感よりも、集合を喜ぶワクワクな雰囲気に包まれていた
この日は工程の詳細確認や、より細かい注意事項の確認、更にはダンスの練習まで
あっという間に初日のガイダンスは終了した
1人だけ、急きょ参加できなくなってしまったメンバーがいて
そのメンバーが心温かい手紙を送ってくれた
夜はお約束の懇親会があったり
懇親会前後で、部屋でゆっくり話す時間があったり
その中で
あ、これは面白い旅になる
と確信した事がある
来られなくなったメンバーの手紙に
確か、こんな旨の内容が書いてあった気がする
「何のために行くのか?目的や達成したい事をはっきりさせないと、得られるものは少ない。皆この旅を通じてどうなりたいかを意識し、成長して帰ってきてほしい」
海外留学なんかでも、よく言われること
要は
ゴール・なりたい姿を具体化して、ちゃんとそれを意識しながら臨もう
という事だ
記憶が曖昧だが、こんな内容であったように思う
そこで面白かったのが、メンバーの反応だ
1人はめちゃくちゃ感動し、心に刺さっていた
自分はそこまで考えていなかった
凄く良い言葉を貰った
と
懇親会に行く時も
ちょっと先に行ってて、とノートに思った事を綴るほど
彼の心の奥を揺さぶる言葉であった
一方、正直ピンときていないメンバーもいた
「ボランティア」
現地の人たちのために、我々は行くのに
自分がどうなりたいか?という視点を前面に出すのは、違うのでは
今回の旅を実り多きものにするのは、自分の成長でなく、現地への貢献だ
言葉は違うが、恐らく根底にはそういう想いがあるのだろう
と、会話から私は汲んだ
この話には、結論も正解もない
ただ、心温かいメッセージの一文だけを取っても、これほどにまで解釈が異なる
そして今回集まったメンバーは
そういう違いがあっても、自分の考えを口に出し
また自分と違う考えに耳を傾ける事ができる
そんな事を感じた初日の夜だった
自分自身、確かめたい事があって参加したのも動機の1つ
「ボランティアってなんだ?」
これは本当に
人や立場によって解釈が変わるし
恐らくこの旅で、いろいろな人のいろいろな解釈が、そしてその違いが浮き彫りになるだろう
それはもちろん、現地のNGO、そして受け手の視点も含めてだ
唯一の答えは出ないだろうが、自分なりに実際に見て考え、他者の解釈に触れる
これは今回の具体的なボランティア活動とは別次元で
「他者貢献」に対する自身の態度に関し、大きなキッカケとなる
そんな風に感じながら、飛行機で日本を後にした