ヒゲニートへの道 p.41
会社で過ごす最後の年末
正確にはその半年前からだが
ラッキーな事に、会社で貴重な体験をする事ができた
100人以上もの大所帯で行う、部門の大忘年会幹事だ
化粧品会社の入社とはいえ、親会社のグループには同様に化粧品ブランドがあれば
シャンプーから洗濯、食器洗剤まで多岐に渡るプロダクトを作っている
それら全部の販売マーケティングが1つの部門になっており、私は自化粧品の代表としての幹事参加であった
これが毎年なかなか本格的で
ホテルを押さえ、当日の受付・司会からゲームや余興をしたり
半年以上前から動いて、段取りをしていく
仕事上では、自化粧品以外の社員、とりわけ家庭品の社員と関わる事はほとんどなかった
だが、これをきっかけに
仕事では絶対に関わらなかった方々と、一緒に準備を進める事が出来た
仕事の合間を縫って半年以上もの時間を費やす忘年会の幹事
過去少なからず、ネガティブな気持ちで臨んでいた人もいただろう
しかし私の時はメンバーも良かったおかげか、最初から最後まで楽しく取り組む事が出来た
幹事メンバーには部長、マネージャー数名も含まれており、寄せ集めのメンバーで限られた回数集まり、各々段取りを進める
本業と並行して、短期のPJTで仕事をする感覚だ
そうなると、チームワーク、役割分担、段取り、効率、そして何よりモチベーションの維持とベクトルの方向合わせ
こういったものが必要になる
大前提として「楽しもう!」
これを全員が最後まで維持できつつ、忘年会も大成功に終える事が出来た
「これからは会社という単位でなく、PJT単位で様々な組織に関わり仕事をしていく時代」
そんな風に言う人もいる
チームビルディングや個を活かす役割分担をしつつ、チーム全体として最適解を導いていく
もちろん、それを楽しみながら
そんなチームの作り方、あり方を学ぶ事が出来たし
普段関わらない方々の動きを見て、仕事のヒントになる事も沢山学べた
イベントの企画や幹事をした事がある人なら分かるだろうが
普段どのように仕事しているかが、結構見えたりする
敬遠されがちなイベントや幹事ゴト、状況によっては仕事のヒントが沢山詰まっているかもしれない
そしてもう1つ
私は動画制作に興味があったため、忘年会用のムービー制作を買って出た
これが大当たり
幹事にも大ウケし、本番でも大成功
普段の仕事では絶対に使わない
「好き」や「得意」
それも、まだ毛すら生えていない素人レベル
それが誰かの役に立ったり、笑いに繋がる
これを経験出来た事も、非常に良かった
実際に退職後
友人からではあるが、お金を貰ってムービー制作をする経験も出来た
初めて一緒に仕事する人達で、チームでの大成功
「好き」「得意」を誰かのために活かした経験
3年目のジョブローテーションでメーカー本社に来ていれば、ずっと同じ会社の人との関わりの中で出来なかったであろう経験
親会社との統合過渡期、特に最後の1〜2年は転職並みにやる事や文化も変わった
その中で更に、最後の最後で普段の仕事と全く異なる経験
「退職してもお前なら大丈夫だろ」
なぜかそんな風に
自分自身に言えるよう、背中を押してもらった気がする経験とタイミングだった
「好き」「得意」が、実は思ったより仕事になるハードルは低いかもしれない
これは忘年会幹事をはじめ、ここ数年強く感じている事だ