ヒゲニートへの道 p.44
疑義録にExcel
仕事を通じて自分の中にあった「好き・得意」を活かし、伸ばす事が出来た
これに加えて、仕事をしながら覚え、学び、それがいつしか得意に育っていき、「やりたい=好き」になったもの
それが「仕組み作り」だ
特に本社に来てからは、昔からある決まったやり方を自分の担当だけやる、所謂やらされ仕事が少なかった
数値目標や方針を達成するため、もしくは現状業務の見直しから効率化など
分析、提案、フィードバックまで自由に出来るありがたい環境であった
本社の多くの部署と全国に関わる立場だったため、何をするにも個別にやっていては効率が悪い
例えば報告・集計業務をとっても、いかに効率良く…かつ受け手の負担にならないようにするかを吟味する必要がある
そして大企業あるあるなのが、組織が大きくなるほど報告物と打ち合わせが増え、どんどん非効率になっていくというもの
ともすればそれを助長しかねない立場だったため、何でも集計・分析すれば良いというものでもないし
受け手としてはその報告に意味があると実感出来なければ「余計な仕事を増やしやがって」と思うのが普通だろう
多くの部署・人と関わる中で、求められる事も求める事も増えていった
その中で学んだ事が仕組み化だ
幸いにも、何か新しいルール・やり方が出てくればそれをExcelですぐ具現化する事が出来たので
あらゆる業務の抜け漏れがないよう、受け手や自身の負担を減らすよう、とにかく効率化するよう
根幹のルールや仕組ごと作ってしまう、という経験を沢山積むことが出来た
組織とは、どこまで大きくなろうと人だ
理屈上、技術的には最良に思えても
関わる人のモチベーション、優先順位、スキル、持続性、維持コスト、代替性…などなど
ソロバンで弾けない多くの抽象的な要素を鑑みなければ、せっかく考えたルールや仕組、組織は機能しない
何でも改良・提案できる環境にあったため、いろいろと新しいアイデアやツールを作っては試し、受け手の反応を見る事を繰り返し
「結局は人」という、とても重要な事に気付けた
使われなければ意味がないし、負担を増やして生産性が下がるなら本末転倒
分かっていてもなかなか難しいが、「関わる人の具体的な作業・感情」をイメージして、ツールや仕組・ルールを作るかどうか、その姿勢1つでアウトプットは驚くほど変わる
仕組みは個人や組織の生産性を高める、時にはモチベーションを高めるための「手段」だ
作る事、使わせる事が目的になってはいけない
仕組みを作るうえで最も重要な事は
一見「効率化」とは対極の言葉に聞こえる、「感情」や「最も粒度の小さい具体的な作業」にフォーカスして設計する
これが、8年間で学んだ結論だ
長々と綴ってしまったが、これも好きの所以
仕組や組織作りについて飲みながら語り始めたら、恐らく止まらない
必要に迫られて目の前の仕事を必至にこなしているうちに
つい熱中してしまう、その事ばかり考えてしまう、すぐプロトタイプを作ってみたくなる
こんな状態になっていた
もう完全に「好き」というやつだろう
書く事、Excel、仕組み作り
実は退職しメルボルンで英語の勉強に励む今でも、全て私生活に取り入れている
近い将来これらを仕事にして、誰かの役に立てられるようにしたい